すごいぞ!宮崎の水産業

最近お魚が捕れなくなったって聞くけど、どういうこと?

1.資源の減少

日本の周辺は、暖かい黒潮と冷たい親潮がぶつかりあい世界でも有数の漁場と言われています。また、水産資源はとり過ぎなければいつまでも漁獲できることが特徴です。
しかし、最近では資源量が減少してきた種類もあり、日本全体の漁獲量も減少しています。
減少した原因は、とりすぎや漁獲や環境の悪化など様々で複雑です。中にはマイワシ資源のように減る時期と増える時期を数十年ごとくり返すという特徴をもったものもあります。このような特徴は特に浮き魚とよばれるイワシ類、サバ類、アジ類、サンマ等ではっきり見受けられます。

2.遠洋漁業が減ってきている

日本は、これまでも日本の近くだけでなく、遠くの国の海まで行って漁業を行っていました。(遠洋漁業)
宮崎の漁船もミクロネシア地域などにマグロをとりに行っています。しかし、昭和50年代の始めごろから諸外国が自分の国のまわりの200海里までは自分たちの海だと主張しはじめたため、次第に漁業ができにくくなってきました。
そして、国際連合が海の利用について新しい基準として海洋法条約を制定し、日本も平成8年に批准し条約を守ることになりました。
このため、日本の水域以外でカツオやマグロを漁獲することが難しくなってきています。
宮崎の近海まぐろはえ縄漁船は、外国の海で漁獲しにくくなったため、「減船」といって自主的に漁船の数を減らしたことがあります。

[海洋法条約とは]
国のまわり200海里(排他的経済水域)はその国だけに資源を利用する権利を認め、そのかわりに水産資源が減らないように適切に管理することを求めています。
また、カツオやマグロなど広い海を回遊するものについては、国々の200海里の内と外全てを国際的な地域漁業管理機関が管理するよう決められています。

3.水産業で働く人が減っている。

これまでみてきたように、資源の減少や外国での漁獲が減って、日本全体の生産量が減ってきていますが、宮崎の漁業も同じように生産量が減ってきています。
また、その一方で、外国からの水産物の輸入が増加しているため、日本の漁業は外国の水産物と競争しなくてはならなくなっています。
しかし、日本の漁業コストは高いと言われており、漁船や漁具、燃料などの経費の増加に比べ、収入が減って経営が成り立ちにくくなっています。
このことが、漁業者になろうとする若者が少なくなっている原因の一つになっていて、漁業者の減少や高齢化につながっているため、今後の漁業のゆくえが心配されています。


宮崎県水産試験場 宮崎県宮崎市青島6丁目16-3 TEL.0985-65-1511 / 宮崎県水産試験場 内水面支場 宮崎県小林市南西方出の山1091 TEL.0984-23-3358

Copyright © 2011 MIYAZAKI PREFECTURAL FISHERIES RESEARCH INSTITUTE. All rights reserved.